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「プロジェクトで考える」をメタに考える試み

授業「メディア・ワークショップ」

今年からメディア・ワークショップという授業を新たに担当しています。この授業も企業と一緒にさせていただいており、今年はH.I.S.さまとご一緒しました。企業からの課題に対して提案を考える、というのは他の演習でもやっています。そのため、この授業では、「つくる」と「学ぶ」を組み合わせるワークショップとはどのようなものか?を学びながら、自分たちでも企画・ファシリテートすることを最終課題としました。

企業からの課題に対しての提案ではなく、社員に対して「~というやり方でその課題を考えてみませんか?」ということを提案するのは、いわば「『考えてもらうようにするために』考える」というメタ的な課題です。

学生たちは自分たちがどう考えるか?であれば割りとストレートにできたかもしれませんが、考えてもらうように設計するのはやはり苦戦していました。最初は結構ストレートに「~という課題を考えてみて下さい」と投げちゃうこともあります。でもそれで出来ないから課題になってるんだよと、笑。というか、自分たちも「考えてください」とだけ言われるとしんどいよね?と押し返したりしました。

授業には前期にワークショップ・デザインの勉強会である「Fledge」に参加したゼミ生にSA的に協力してもらったのもあり、最終提案にはどのグループもなかなか練られたものを提案してくれました。参加いただいたH.I.S.社員の皆様方にとって、新たな視点や気づきの手法になっていれば幸いです。

学生にとっては、こうした経験をすることで、どうやったかわからないけど自分はできる、という状態から、こうやって考えてもらうといいんじゃないか、という視点を獲得できればいいなぁと思っています。プロジェクト型授業で提案をするという実践を繰り返していくことも上達につながるかもしれませんが、一旦そこから少し距離を起き、喩える、枠組み化する、言語化する、といった抽象度を高める=メタに上がる、ことも(あるいはそれこそ)有効なのではないかと思っています。

初年度なので、まだまだ改善する要素も多かったのですが、もう少しこうやれば、というところを洗い出しつつ、「2割の改善」を継続していきたいと思います。

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