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PBLで「やることが明確だと頑張れる」ということを巡って

edu-lab meeting@帝京大学
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先日、Edu-Lab meetig@帝京大学に参加してきました。PBLについて成瀬さん@京都光華女子大学、安斎さん@東京大学のそれぞれの実践報告を聞いてきました。
お話を聞き、ディスカッションをする中で、PBLに関する「もやもや」が自分の中でもうっすらと整理され、まとまってきました。その中の1つがPBLで身に付ける/付く知識・スキルに関してです。PBLで学生、教員、(+社会?)から期待されているのは大きく分けて以下の3つがあるかと思います。
1. ジェネリックスキル(社会人基礎力など)
2. プロジェクト進行についての専門性(プロジェクトマネジメント、ワークショップデザインなど)
3. テーマについての専門性(プロジェクトが対象とする地域社会や異文化理解など)
これらを整理して設定する/伝えないと、とにかく「いい経験でした!」で何となく学生も教員も地域・企業も「良かった!」となります。PBLは目的なのか、手段なのか?の整理が重要かなと思います。アカデミック領域からPBLやアクティブ・ラーニングへのそこはかとない疑念・不信感はこのあたりも要因なのかなと思ったり。ただ1-3が重層的になっているということも十分あるかと思います。その場合、リフレクションが難しいという安斎さんの指摘はなるほどと思いました。
ただまだ「もやもや」もあります。(誤解があったらごめんなさい…)成瀬さんはPBLにおける学生の「創意工夫」の余地について、目標を明確にし、タスクに分割すると学生は「創意工夫」がしやすくなり、モチベーションを持って取り組めるという事例をご紹介いただきました。
「やることが明確・見えていると頑張れる」ということは弊学でもよくあります。山登りでも山頂(ゴール)が見えていると気力が出ます。ただここ数年いろいろな取り組みをやってきて思うのは、ゴールの設定やタスクの切り分けはPBLを繰り返すと自分たちでもできるものなのか?という問いです。「プロジェクトのメタなタスク」といってもいいかもしれません。
こうした「プロジェクトのメタなタスク」は学生もゴールの設定やタスクの切り分けなど設計にも徐々に参加することで可能になるのか?PBLにおける設計と実施という境界を学生が「越境」することは可能なのか?
そういった意味でPBLにおけるSA・TAは興味深いですね。これらはPBLにおける「正統的周辺参加」みたいな感じで分析できそうですね。この辺りに関してはいろいろと実践や分析を重ねていきたいと思います。