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「楽しませてもらう」から「楽しむ」ために

新入生セミナーで試したこと

新年度の大きめの仕事として、新入生セミナーの全体設計を担当しました。これまではホテルに宿泊し、学生生活をどう送るかのワークを中心にしていましたが、今年は宿泊はなし。渋谷キャンパスで1日で行いました。いつもは2割を思い切り変える、といいながら今回はせっかくなので?全面的なリニューアルを行いました笑

東急電鉄様にクライアントを依頼し、渋谷区基本構想の7テーマ(https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/koso/)+1と渋谷駅を中心とした5つのエリアの組み合わせを割り当てられた40チーム約230名がチェキとスマホを片手にフィールドワークをし、そのテーマに沿った課題発見と提案を行うポスター制作、ポスターセッションを行うという、懇親会まで入れると12時間近く大学にいるという、なかなかハードなスケジュールでした。

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こだわったところは2つ。非常にベタですが、「まかせる」ことと「つくる」ことです。

まかせることに関して

今回は各クラス先輩学生のLF(Learning Facilitator)10名+全体として2名と春休みから考えてきました。大まかなイメージやコンセプトは松下の方で設定・共有しますがそれをどのように実現するかは結構な部分を学生に任せました。例えば、「フィールドワーク前にクラスの緊張を解きたいよね。だからアイスブレイクはしたいんだけど、どうやるかはおまかせします。でもフィールドワーク出発までには終わらせてね」などです。

また1年生に対してもどのようにポスターを作るか、チェキをどう使うか、など細かな指定はほとんどしていません。「何時までにポスター作ってね。使える物品はこれね。」という感じです。つくることにも関係しますが、言われたとおりにやる、ではなく、まかされてつくる、ことってシンプルに楽しいよね、という感覚を持ってほしかったというのもあります。もちろん放置するのではなく、適宜最低限のサポートはLFにお願いしましたが。

そういった意味で、LFに応募いただいた学生のみなさん、本当にありがとう&お疲れ様でした。

つくることに関して

何か言われたワークをしていたらできあがる、ではなく、明確にポスターをつくるということを中心においてそのためのフィールドワーク、インプット、制作時間を意識して欲しいという意図がありました。こうしたアウトプットや〆切から逆算して何をすべきか、は今回のポスターだけではなく、大学での生活や学習全般にも効いてくると思っています。

実は昨年までは新入生セミナーの2日目はディズニーに行っていました。当然?それはそれで満足度も高かったのですが、それって「楽しむ」というよりも「楽しませてもらう」要素が多いんじゃないかって思っていました。そのため「つくる」ことは「楽しい」行為で、「楽しませてもらう」よりも「楽しむ」経験を積み重ねていく、ということが今回目指したものでした。

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初回なのでいろいろと準備や当日のハプニングや苦労もありましたが、多くの方の協力で無事に実施できて良かったです。終わったあとに思うのは、これってマニュアル化が難しい。物品やタイムライン、コンテンツなどこうやったよとか記録は残せますが、それで再現性が担保できるか、と言われると…こうした属人化↔マニュアルのバランスは今後の課題です。

いずれにせよ、PBLやアクティブ・ラーニングについて、いろいろと定義され、これもアクティブだ、これこそがPBLだ、みたいな話になりがちです。少なくとも履修する学生にとっては、こうした「まかせる」「つくる」の比率がどれくらいか、というのはひとつのイメージしやすい指標になるかと思います。