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オンラインが重なるオフライン

セカンド・オフラインとワークプレイス・ワークスタイル

ちょっと前になりますが、7月はウィーンで開かれたISA(国際社会学会)Forumで発表をしてきました。テーマは近年取り組んでいるワークプレイス/ワークスタイルを「セカンドオフライン」の概念から捉えるという内容で、テレワーク/リモートワーク、コワーキングなどの根底に流れるものを探るというものです。セカンドオフラインとは富田英典『ポスト・モバイル社会』(世界思想社、2016)でも述べていますが、オンラインの情報を常時参照によるオフラインで、ここ数年モバイルコミュニケーションに関する研究会で分析している概念です。

今回はSociology of WorkというリサーチグループのDigitalizing Workという部会で発表しました。発表はもちろんですが、質疑なども含めて、なるほどそういったように捉えるんだなぁとか、そういったところに関心があるんだなぁとか海外学会だからこその刺激をもらえる時間でした。やはりメディアによってオンラインとオフラインが「重なる」オフラインという感覚は新鮮なのと同時にじゃあこれはどうなんだ?など議論が広がりました。

この部会以外にもコミュニケーションや文化、若者などをテーマにしたいろいろな部会にも参加してきましたが、ICTによる時間・空間についてはどこも関心は高いようでした。ただし、これらはオンラインとオフラインを「つなげる」という意味合いが強く、セカンドオフラインで言うような「重ねる」というところはまだまだこれからだなぁという印象を受けました。もちろん、自分もまだまだ調査・分析している途中にあるので、また持っていけるネタをつくっていろいろとディスカッションしたいなと思います。

そうこうしているうちにアメリカ、日本などでポケモンGoが大流行に。それにともなっていろいろなところから問題、というか違和感が表明されましたね。こうした違和感ってポケベルやケータイが出てきた時と同じ反応ですね…とは言え、流行しすぎて?定着する感じにはならないかもだけど、「重ねる」をよく表している事例だと思います。