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つくることと考えること

YMSワークショップでのこだわり?

今年度「YOU MAKE SHIBUYAワークショップ」をデザインしてきましたが、8/28に実践女子大学にて初回を実施しました。当日も取材や記事掲載いただき、ありがとうございます。

概要などはBizZine「渋谷区、区の基本構想に楽しく触れ学ぶ「YOU MAKE SHIBUYAワークショップ」実施」、ワークショップの内容などはシブヤ経済新聞「渋谷区、基本構想をカードゲームで理解促進 小学生向けにワークショップ」など。

「YOU MAKE SHIBUYA」ワークショップはカードゲームを軸にしつつ、渋谷区の基本構想に触れて、学ぶためのものです。カードゲームに関しては、東京大学・福山先生、またデザイナーの皆さまが中心となって開発されました。本当にありがとうございます。

ワークショップでもうひとつこだわったのは「自分の手でつくってみる」ところです。ゲームでは、アクションカードという自分がどのような活動を行うのか?を示したカードがあるのですが、ワークショップでは振り返りとして、自分でアクションカードを考え、つくってみる=「手を動かす」ということを重視しています。

しかし、時間が結構タイトなので、この作業はなかなか大変です(笑)。参加者はどんなことをしようかなーと手を動かしながら考えたり、書いたり、塗ったり、書き直したり…などなどいざつくろうとすると時間がかかりますが、外せない作業だと思っています。

そこにこだわるのはデザインしているときにはうっすらとしか意識していなかったのですが、リチャード・セネット『クラフツマン』(筑摩書房、2016)の影響があるかもしれません。この本ではピアノ奏者を例に上げながら「手」についての考察をしています。その中で、

  • 独立する手
  • 協力する手
  • 補い合う手

があり、各部分を最適化し、「結合」した結果よりも「連携」した作業がよい結果をもたらす(pp.284-285)と述べられます。このあたりは渋谷の「ちがいをちからに変える街」というコンセプトと相性いいのかなと。この本自体が「つくることと考えることの乖離」や「仕事と生き方」を問い直している本で、ワークショップやまちづくりなどでも示唆的だと思います。

秋以降は各小学校でも展開していく予定ですがその中で、こうしたデザインの部分も考察を深められたらと思います。