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文系・理系の「共通枠組み」を探して

週末は明治大学で行われた社会情報学会(SSI)の若手カンファレンスで企画とファシリテーションを担当しました。千歳科学技術大学の林先生との共同です。(林先生、どもありがとうございました。)
SSI自体がいわゆる文系と理系が融合している学会ですが、双方どういった発表のテイストがいいのか、などが見えにくい部分があるかも知れません。今回の企画はそうした理系・文系の「共通言語」というかフォーマットを探るという目的がありました。
また自分自身もそうですが、近年の社会課題を意識したワークショップやイベントを研究とどのように位置づけるのか、逆に研究のアウトプットとして発表や論文はもちろんですが、社会に対してどのような形がありうるのか、も議論したかったのもあります。
そこで今回は近年、工学で注目されるSPAという枠組みで研究やプロジェクトを見てみよう趣旨で行いました。SPAとは非常にざっくり言ってしまうと
  • 問題を解決するための入力データを用意し(Sensing)
  • 具体的な 解決手法を検討・実践し(Processing)
  • その結果を社会に働きかけるか(Actuation) *Analysis:分析を加えることも。
ということかと。この3者をバランスよく考え、実施していくことが社会課題の解決と調査・研究とをつなぐ上で重要なのかなと思います。こういった趣旨のもと以下の3人の方々にご報告をお願いしました。
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  • ウィキペディアタウン: 市民による地域情報化の一手法
加藤 文彦(情報・システム研究機構)
専門: 情報工学。Open Data、Linked Dataの普及と応用に関する研究に従事
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  • 社会的課題を解決するためのシステム開発と実践研究
河野 義広(東京情報大学)
専門: 情報工学、社会情報学。ソーシャルメディアとその社会的影響に関する研究に従事
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  • 地域性を活かす教育コミュニティの創造-Civic Techと教育-
田村 賢哉(NPO法人 伊能社中)
専門: 地理学。地理歴史科目を中心にGIS教育の普及や教育の情報化に従事
当日の様子はこちら
どの実践も非常に面白く、ディスカッションの時間が足りないのが残念でしたが、大御所の先生方も多くいらしていただき、コメントを頂きました。会の後、某先生からデータの収集と社会課題の設定についてコメントを頂きました。確かにSPAが順序的にS→P→Aと固定的に思われるかもしれないですが、バランスを取ることが重要で、その順序自体は実は関心があったり、始められるところからしてもいいのでは?という風にも思います。この辺りは今後、議論をしたり、自分の携わるプロジェクトで試していきたいところかなと思います。